書評
Pocket Drugs 2014
大内 尉義
1
1虎の門病院
pp.1210
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410105356
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福井次矢先生が監修され,小松康宏先生,渡邉裕司先生お二人の編集と,臨床疫学,臨床内科学,臨床薬理学を専門とされるお三方の手による『Pocket Drugs 2014』は,現在,わが国の臨床現場において使用されているほぼ全ての医薬品の効能,適応,用量・用法,副作用や禁忌等の注意事項など,薬物療法に関する最新の知識をまとめたものである。言うまでもなく,薬物治療は医療の中心であり,全ての医師は現行の薬剤について精通しておく必要がある。本書はその手助けをする目的で編纂されている。
本書の最大の特徴は,その名の通りポケットに入るサイズの中に,個々の医薬品に関する情報が満載されていることであるが,多忙な外来,入院診療の場で使われる本書のようなreference bookは,必要な情報に素早くアクセスできることが極めて重要であり,本書はそのためにさまざまな工夫がされている。4色刷りのカラフルな紙面は,項目による色使いが統一されていてわかりやすいだけでなく,見ていて楽しい。索引も事項索引,薬剤索引が充実していて目的の薬剤へのアクセスが容易である。また,各章の冒頭に,そのジャンルの薬剤の特徴,作用機序などの総論的事項がわかりやすく記載されているのも本書の有用性を高めている。さらに,その中に,ガイドラインにおけるその薬剤の位置付けとエビデンスが記載されており,また個々の薬剤の最後にも「治療戦略」として〈evidence〉の項があり,エビデンスを重視する編集の特徴がよく表れている。薬剤の写真付きであること,薬価が記載されていることも有用で,さまざまな点で大変よく工夫されている。
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