Japanese
English
特集 熱傷のリハビリテーション
わが国の熱傷の現況
Upon the Present Status of the Incidence on Burn Injuries in Society at Large and Statistical Study on Burned Patients in Japan.
大矢 英次郎
1
Hidejiro O'ya
1
1京都第一赤十字病院熱傷診療室
1Burns Unit, Kyoto 1st Red Cross Hospital.
キーワード:
熱傷
,
熱傷の現況
Keyword:
熱傷
,
熱傷の現況
pp.257-264
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104133
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はじめに
やけどという名で呼ばれているありふれた災害のひとつとして,熱傷があげられるが,この熱傷ほど,医師も,一般人も等閑にしてきたものはないといっても過言ではないことは,巷に多くの熱傷の瘢痕を残している人がいることが,この事実を実証している.
この熱傷について,どれほど発生し,どのような状況にあるかについては,これまでわが国では,これを把握することが全くできなかった.しかし,ここ十数年間,筆者が全国の関係者の絶大な協力を得て,各種の全国調査をするに及んで,次第に全貌を明らかにすることができるようになったが,まだまだ未解決の点も多々あるのが現状である.しかし,筆者のまとめてきたこれまでの各種の全国調査の結果は,社会から“日本の熱傷白書”の名で呼ばれているほどで,一応,わが国の熱傷予防の根拠あるいは傾向を把握するためには,十分その責を果してきたものと思う.
こういった調査のなかから,今回は特に最近筆者のまとめた1975年9月から1976年8月にかけての一般社会における熱傷の発生状況の全国調査や,1974年から1976年までの3年間のわが国の病院における実態調査から,わが国の現況を述べてみることとし,併わせてこれまで筆者のまとめてきた数々の全国調査と比較検討し,熱傷医療上,あるいは予防上の現代のわが国における注目点を挙げて,向後の参考に供したいと思う.
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