FORUM 書評
『免疫学者のパリ心景 新しい「知のエティック」を求めて』
木村 彰方
1
1東京医科歯科大学副学長
pp.1045-1045
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282111045
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これまでと違った自分を見つめなおす書
著者の矢倉英隆先生と初めてお会いしたのは,日本パスツール財団が開催した研究会であった.その研究会ではパスツール研究所の元所長であるフィリップ・クリルスキー博士が招聘講演を行ったが,私はクリルスキー博士のもとに留学していたので,久しぶりに彼に会うために研究会に参加した次第である.その際に,彼の著書であるLe Jeu du hasard et de la complexité-La nouvelle science de l’immunologie『免疫の科学論―偶然性と複雑性のゲーム』(みすず書房刊)を矢倉先生が翻訳されたことや,本誌にエッセイを連載されていることをお聞きした.それ以来エッセイが掲載される度に原稿をお送りくださったが,2018年6月24日に初めていただいたvol. 68には翻訳のことに触れられており,その後vol. 105の完結まで毎回楽しみに読ませていただき,矢倉先生の「科学の形而上学化」を目指す姿に触れることができた.
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