Japanese
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TOPICS 消化器内科学
潰瘍性大腸炎の診断に有用な新たな自己抗体マーカー
Novel autoantibodies for diagnosis of ulcerative colitis
角田 洋一
1
Yoichi KAKUTA
1
1東北大学病院消化器内科
pp.1013-1014
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282111013
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潰瘍性大腸炎の診断
潰瘍性大腸炎は難治性の慢性腸炎で,厚生労働省の指定難病で現在20万人以上の患者がいると推定される.診断は,繰り返す血便の症状,大腸内視鏡検査での特徴的な所見,そして病理組織所見で潰瘍性大腸炎に矛盾ない所見が認められることで確定される.血便を契機に受診することが多く,血便を認める他の疾患との鑑別が重要となる.中高年であれば大腸がんを念頭にまず大腸内視鏡を勧める一方で,特に10~20代といった比較的若年の患者では悪性疾患より,潰瘍性大腸炎のほか,感染性腸炎,痔核出血などを念頭におく必要がある.特に自施設で内視鏡が行えない場合などは,内視鏡以外の診断の補助となるような簡便に行える検査が求められる.最近では便中カルプロテクチンが過敏性腸症候群と炎症性腸疾患の鑑別として保険適用となっており,専門医紹介の必要性の判断に有用である.一方で,便検体を用いた検査がかならずしも非専門のクリニックなどで一般的な検査とは限らないため,血液マーカーなどより容易な診断補助ツールが求められる.
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