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連載 人工臓器の最前線・vol.5
植込型補助人工心臓とは?
-――その現状と将来展望
Implantable ventricular assist device;Current status and future perspective
安藤 政彦
1
,
小野 稔
1
Masahiko ANDO
1
,
Minoru ONO
1
1東京大学医学部附属病院心臓外科
キーワード:
植込型補助人工心臓(iVAD)
,
心臓移植
,
bridge-to-transplant(BTT)
,
destination therapy(DT)
Keyword:
植込型補助人工心臓(iVAD)
,
心臓移植
,
bridge-to-transplant(BTT)
,
destination therapy(DT)
pp.843-849
発行日 2022年8月27日
Published Date 2022/8/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28209843
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□わが国では植込型補助人工心臓(iVAD)が2011年4月より心臓移植への橋渡し(BTT)の目的で,さらには2021年5月より永久植込み使用(DT)の目的で保険適用されるようになり,その症例数が飛躍的に増加している.2011年以前,補助人工心臓(VAD)による補助を要する重症心不全患者は,そのほとんどが体外式VADによって補助されており,年単位での入院継続を余儀なくされていた.iVADの臨床導入によって,このような患者がiVADをつけたまま自宅退院し,社会復帰をすることが可能となった.iVADは体外式VADと比較して出血・感染・塞栓症などの合併症も少なく,年単位での長期間にわたって,在宅で,より安全に患者の循環を維持することができる.しかし一方,iVADの保険償還価格は約1,900万円ときわめて高額であるため,現状ではBTT/DTの基準を満たす限られた症例に対してのみ,保険診療での植込みが許可されている.本稿ではVADの目的,iVADと体外式VADの違い,それぞれのiVAD機種の特徴,iVAD治療の現状における課題とその症例展望について述べる.
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