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第5土曜特集 小児医療の最先端
心理社会医学編
わが国のチャイルド・デス・レビュー
-――予防のための子どもの死亡検証
Child death review(to prevent children’s fatality)in Japan
沼口 敦
1
Atsushi NUMAGUCHI
1
1名古屋大学医学部附属病院救急・内科系集中治療部
キーワード:
チャイルド・デス・レビュー(CDR)
,
予防のための子どもの死亡検証
,
死因究明
Keyword:
チャイルド・デス・レビュー(CDR)
,
予防のための子どもの死亡検証
,
死因究明
pp.561-566
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205561
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わが国で,チャイルド・デス・レビュー(CDR;予防のための子どもの死亡検証)は成育医療の延長線上に位置づけられる.2020年度から都道府県チャイルド・デス・レビュー体制整備モデル事業(以下,モデル事業)が開始された.調査,検証,提言の3ステップで構成される事業が探索されるが,効果的な実現のために対象の厳選が必要である.子どもの死亡の約25%を占める “防ぎうる死” を中心として,全体の半数程度がCDRの優先的な対象と概算される.小児医療者は子どもの死亡の多くに携わっており,CDRに重要な役割を担う.モデル事業の実現によって死因究明に関する課題が明らかになってきたため,これにどう対処するべきかが議論されなければならない.このような医学的側面の検証に加え,社会的側面,精神心理的側面の検証もそれぞれ求められる.これらの観点を念頭に,個別検証,概観検証,専門検証の多段階の手順が探索される.CDRの実現によって,複数の段階を経て社会の変化につながることが期待される.
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