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特集 肥満・糖尿病とCOVID-19
COVID-19による死亡リスクに対する肥満の影響
Impact of obesity on the outcome of patients hospitalized with COVID-19 infection
山口 徹雄
1
Tetsuo YAMAGUCHI
1
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院循環器センター内科
キーワード:
肥満
,
BMI
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
院内死亡
Keyword:
肥満
,
BMI
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
院内死亡
pp.272-274
発行日 2022年7月23日
Published Date 2022/7/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28204272
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死亡・重症化リスクのひとつに肥満があることは先行して欧米から報告があったが,死亡リスクが相対的に低いアジア人でも肥満が同様のリスクとなるかどうかについてはデータが乏しかった.そこで筆者らは,2020年1月~5月のいわゆる第一波の時期に日本国内の49病院にCOVID-19で入院した心血管疾患の既往またはリスクを有する日本人患者580人のデータを解析し,BMIと院内予後の関係を検証した.院内死亡率は15.0%(87人),気管内挿管は24.0%(139人)にみられた.背景因子を調整した解析でも,BMIと院内死亡率の間に直線的に有意な相関関係を認めた.一方,BMIと気管内挿管率との相関は統計的に有意ではなかった.日本人においても高いBMI(30以上の肥満カテゴリ)は高い院内死亡リスクと相関しており,これは欧米諸国(BMI 40以上で死亡率増加)と比較するとかなり低い閾値であった.現在,各自治体で行われている重症化リスクの推定スコアにBMIは取り入れられている.
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