Japanese
English
特集 肥満・糖尿病とCOVID-19
肥満症による感染症の重症化機構
Mechanisms of severe infections in obesity
正本 庸介
1
,
黒川 峰夫
1
Yosuke MASAMOTO
1
,
Mineo KUROKAWA
1
1東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科
キーワード:
肥満症
,
免疫異常
,
炎症
,
感染症
Keyword:
肥満症
,
免疫異常
,
炎症
,
感染症
pp.249-252
発行日 2022年7月23日
Published Date 2022/7/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28204249
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肥満症は内臓脂肪の蓄積に伴う脂肪細胞の内分泌機能異常,慢性炎症の持続を背景に,いわゆる生活習慣病にとどまらず,全身にさまざまな合併症をきたす疾患である.以前から肥満症が免疫系に対して広範な影響を有し,肥満症は感染症の頻度の増加,重症化に関わることが知られていたが(表1),新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において肥満者の重症化・死亡リスクが明らかに高いことがわかり,近年,肥満症が感染症の重症化に関わるメカニズムについて改めて注目を集めている.肥満症においては,免疫系の広範な異常によりサイトカインストームの素地となるような炎症環境が形成されるとともに,関連する代謝性の合併症や解剖学的異常,栄養異常,血栓傾向など多くの要因が感染症の重症化の素地となっている.本稿では肥満症における感染症の重症化のメカニズムについて概説する.
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