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特集 肥満・糖尿病とCOVID-19
脂肪組織GRP78は高齢,肥満,糖尿病に関わる新型コロナウイルスのホスト因子である
Adipose GRP78 as a significant host factor for COVID-19 and the association with older age, obesity, and diabetes
シン ジフン
1
,
豊田 新一郎
1
,
下村 伊一郎
1
Jihoon SHIN
1
,
Shinichiro TOYODA
1
,
Iichiro SHIMOMURA
1
1大阪大学大学院医学系研究科糖尿病病態医療学寄附講座
キーワード:
肥満
,
糖尿病
,
脂肪組織
,
GRP78
,
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
Keyword:
肥満
,
糖尿病
,
脂肪組織
,
GRP78
,
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
pp.253-257
発行日 2022年7月23日
Published Date 2022/7/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28204253
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にはウイルス膜表面に発現しているスパイクタンパクとホスト細胞のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)タンパクの結合が重要だが,高齢や肥満,糖尿病など,COVID-19の危険性を高める要因と関連した結合促進因子の報告はない.本研究では,シャペロンタンパクであるGRP78がストレス環境下で細胞表面や細胞外・血中に分泌され,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパクと結合し,スパイクタンパクのACE2発現細胞への集積を促進させることを発見した.GRP78の遺伝子発現は肺や脂肪組織で高く,特に脂肪組織では高齢や肥満,糖尿病状態で発現が誘導された.またこれらに随伴する高インスリン環境が,ストレス誘導性転写因子XBP-1を介しGRP78を誘導することがわかった.高インスリン血症を改善する糖尿病薬や,運動・食事制限などが脂肪組織GRP78の発現を低下させることもわかり,COVID-19の予防や治療のターゲットとなる可能性が示唆された1-6).
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