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特集 めまい――治療と研究の最前線
内耳造影MRIによるメニエール病周辺疾患の内リンパ水腫陽性率
Endolymphatic hydrops positivity rates in patients with recurrent audiovestibular symptoms by inner ear MRI
北原 糺
1
Tadashi KITAHARA
1
1奈良県立医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
内耳造影MRI(ieMRI)
,
内リンパ水腫(EH)
,
メニエール病非定型例前庭型(vMD)
,
メニエール病非定型例蝸牛型(cMD)
,
低音障害型感音難聴
Keyword:
内耳造影MRI(ieMRI)
,
内リンパ水腫(EH)
,
メニエール病非定型例前庭型(vMD)
,
メニエール病非定型例蝸牛型(cMD)
,
低音障害型感音難聴
pp.205-208
発行日 2022年7月16日
Published Date 2022/7/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28203205
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1938年にメニエール病(MD)患者の側頭骨病理標本に内リンパ水腫(EH)が観察されてから,繰り返すめまい・難聴症状は内リンパ水腫と関係があると考えられてきた.2007年に3テスラMRI(3T-MRI)にガドリニウム造影剤を用いることで内リンパ腔の描出に成功し,内リンパ水腫の客観的な評価が可能となった.内リンパ水腫陽性率は,めまい・難聴を繰り返す疾患(rCV)の81.7%,難聴を繰り返す疾患(rCO)の77.4%,めまいのみを繰り返す疾患(rVO)の19.6%であった.めまいのみを繰り返す疾患は,内リンパ水腫以外の病態を有する率が有意に高かった.内耳造影MRI(ieMRI)を用いた内リンパ水腫の検索により,めまい・難聴を繰り返す疾患に対する病理病態に即した最善の治療法提案が可能となるであろう.
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