Japanese
English
特集 めまい――治療と研究の最前線
新しい平衡機能検査
-――vHITとVEMP
New neuro-otological examinations
――vHIT and VEMP
室伏 利久
1
Toshihisa MUROFUSHI
1
1帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科
キーワード:
半規管
,
耳石器
,
前庭-(動)眼反射(VOR)
,
前庭-頸反射
Keyword:
半規管
,
耳石器
,
前庭-(動)眼反射(VOR)
,
前庭-頸反射
pp.200-204
発行日 2022年7月16日
Published Date 2022/7/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28203200
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
本稿では,新しい平衡機能検査であるビデオヘッドインパルス検査(vHIT)と前庭誘発筋電位検査(VEMP)について紹介する.前者は角加速度のセンサーである半規管の機能検査であり,前庭-(動)眼反射(VOR)を測定するものである.急速な頭部回転により生じるVOR gain(頭部回転速度に対する眼球運動速度の比)およびVOR gain低下時に代償性に発生する急速眼球運動(catch-up saccade)を測定する.この検査によって外側半規管のみならず,前・後半規管の機能評価も可能となった.後者は比較的大きな音刺激を用いて直線加速度のセンサーである耳石器の機能を評価する検査である.前庭-頸反射を測定するcVEMPとVORを測定するoVEMPからなる.cVEMPは主として球形囊の機能を,oVEMPは卵形囊の機能を反映する.この検査によって耳石器の機能評価が可能になった.vHITとVEMPの両者を用いることで前庭迷路全体の評価が可能となり,めまい平衡医学のさらなる発展が期待される.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.