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特集 めまい――治療と研究の最前線
平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準―2021年改訂―
Training standards for vestibular rehabilitation, 2021 edition
伏木 宏彰
1
Hiroaki FUSHIKI
1
1目白大学耳科学研究所クリニック耳鼻咽喉科,同保健医療学部言語聴覚学科
キーワード:
前庭障害
,
前庭代償
,
めまい
,
ふらつき
Keyword:
前庭障害
,
前庭代償
,
めまい
,
ふらつき
pp.209-214
発行日 2022年7月16日
Published Date 2022/7/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28203209
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急性めまい疾患により一側の末梢前庭が障害されると回転性めまいや平衡障害が出現するが,前庭系が有する回復のメカニズム(前庭代償)が働き,症状は早期に回復する.しかし,前庭代償が遅延して歩行時のふらつきや平衡障害が持続する例も少なくない.前庭障害は平衡機能の低下,日常生活動作の制限,転倒のリスクの増加,社会参加の制限をもたらす.前庭障害に対するリハビリテーション(前庭リハビリテーション/平衡訓練)は安全で効果的な治療法として,めまい平衡医学や理学療法学の領域で今改めて注目されている.日本めまい平衡医学会において「平衡訓練の基準の改訂ワーキンググループ」が発足し,2021年に前庭リハビリテーションの訓練基準が改訂された.前庭リハビリテーションを構成する①動的前庭代償の促進,②適応の誘導,③感覚代行の誘導,④慣れの誘導,の4つの原理とそれに関連した標準的な訓練方法が提案されている.
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