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第1土曜特集 不眠症──研究・診療の最新知識
不眠症の最新治療
不眠症の薬物療法
Pharmacotherapy of insomnia
橋本 樹
1
,
稲田 健
1
Itsuki HASHIMOTO
1
,
Ken INADA
1
1北里大学医学部精神科学
キーワード:
睡眠薬
,
ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZ-RAs)
,
メラトニン受容体作動薬(MRA)
,
オレキシン受容体拮抗薬(ORA)
,
睡眠薬の適正使用
Keyword:
睡眠薬
,
ベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZ-RAs)
,
メラトニン受容体作動薬(MRA)
,
オレキシン受容体拮抗薬(ORA)
,
睡眠薬の適正使用
pp.1036-1040
発行日 2022年6月4日
Published Date 2022/6/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu281101036
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不眠症の薬物療法は,睡眠衛生指導と組み合わせて実施すること,生活習慣を整えて睡眠薬を併用し安定した睡眠が得られるようになったら,時間をかけて睡眠薬の漸減・中止を検討することが重要である.睡眠薬の処方にあたってはベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZ-RAs),メラトニン受容体作動薬(MRA),オレキシン受容体拮抗薬(ORA)を中心に,期待される効果や有害事象,禁忌や薬物相互作用を考慮しながら使い分けることが求められている.BZ-RAsは強い鎮静・催眠作用を有するが,翌日の持ち越し,眠気,健忘,脱抑制,ふらつき,転倒,認知機能低下,健忘,せん妄の誘発,依存形成などに注意する.MRAは高い安全性を有し睡眠覚醒リズム障害の治療にとくに有用であるが,鎮静・催眠作用は穏やかである.ORAはBZ-RAsに比べてふらつき,転倒,健忘などの副作用が少ないことが示唆されるが,乱用のおそれや傾眠などの副作用に留意すべきである.
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