連載 COVID-19診療の最前線から――現場の医師による報告・Vol.18
COVID-19による虚血性脳卒中リスクへの影響
-――救急診療への影響も含めて
守谷 俊
1
,
新里 祐太朗
1
,
崎原 永立
1
Takashi MORIYA
1
,
Yutaro SHINZATO
1
,
Eiryu SAKIHARA
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター救急科
pp.779-783
発行日 2022年5月14日
Published Date 2022/5/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28107779
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POINT
●COVID-19感染症の合併症として知られる血栓形成の脳血管障害発生へのリスクについてメタ解析や系統的レビューを行い,臨床的特徴や危険因子を明らかにした.血管危険因子を有するCOVID-19の重症例に脳血管障害が発生しやすく,major vesselや多部位の病変が特徴で重症となる傾向にあるが,発生頻度には人種差が存在するようである.COVID-19の拡大に伴う入院脳卒中患者の全体数は低下するのが一般的であるが,当センターにおける脳卒中診療では別の医療圏からの救急搬送により患者数は増加しており,地域における詳細な検討が必要である.COVID-19の拡大により当センターでは,三次救急を軸に患者受け入れを継続したが,それでも乗り越えられないピークがあった.本稿ではさらに,埼玉県(さいたま市)の搬送困難事例の報告を行う.
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