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第1土曜特集 1型糖尿病――診療と研究の最前線
治療技術の進歩
インスリン製剤のUPDATE
Insulin preparation update
三浦 順之助
1
Junnosuke MIURA
1
1東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科分野
キーワード:
超速効型インスリン製剤
,
持効型溶解インスリン製剤
,
スマートインスリン
Keyword:
超速効型インスリン製剤
,
持効型溶解インスリン製剤
,
スマートインスリン
pp.600-605
発行日 2022年5月7日
Published Date 2022/5/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28106600
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インスリン発見から100年以上が経過し,これまでさまざまなインスリン製剤が開発された.ヒト内因性インスリン分泌の動態が解明され,それを模倣するための注射回数,効果発現・持続時間,頻回注射に耐えられる注入器や装置,血糖測定技術の開発など,“インスリン治療” 全体が進歩してきたといえる.しかし残念ながら,現時点では注射製剤のみである.皮下投与によるインスリン効果は食後血糖値の上昇に追いつけず,食後高血糖は血糖コントロールにおける問題であった.2020年に現行の超速効型インスリンの吸収を速くした製剤が承認され,食後血糖値の抑制がある程度可能になった.逆にインスリン作用を長くすることで,週1回投与のインスリン製剤も1型糖尿病で治験が進行中である.研究段階ではあるが,血糖値に応じた作用を発揮するスマートインスリンも開発されており,今後 “インスリン治療” はさらなる進歩が期待される.
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