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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
ネットワークの各因子と,その因子を応用or標的とした基礎研究の現在と可能性
【がん免疫ネットワークに影響を与える因子】
ネットワークにおけるT細胞の役割
-――CTL,活性疲弊,チェックポイント
Role of T cells in the network
山﨑 加奈
1
,
茶本 健司
1
Kana YAMASAKI
1
,
Kenji CHAMOTO
1
1京都大学大学院医学研究科免疫ゲノム医学講座,同附属がん免疫総合研究センター免疫ゲノム医学講座
キーワード:
PD-1
,
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)
,
活性疲弊
Keyword:
PD-1
,
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)
,
活性疲弊
pp.381-387
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105381
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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を応用したがん免疫療法の開発により,現代のがん治療は飛躍的に進歩した.一方,免疫チェックポイントを代表するPD-1分子の阻害,つまり抗PD-1抗体治療の反応性には強い個人差があり,半数以上が治療に対して不応答性を示す.ICIを用いたがん免疫療法の治療反応性を,事前に予測するためのバイオマーカーの特定は焦眉の課題であり,その探索は世界的に行われている.しかし,治療反応性を左右すると考えられている細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の疲弊(exhaustion)機序は,いまだ完全には解明されていない.がん免疫治療のみならず,免疫チェックポイント分子は自己免疫疾患の治療法にも根幹的に関与している.これらの課題を克服するため,さらなる詳細な研究が目下必要とされている.
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