Japanese
English
TOPICS 脳神経外科学
がん遺伝子パネル検査による脳腫瘍治療
Treatment of brain tumors by oncogene panel test
高柳 俊作
1
,
田中 將太
1
,
齊藤 延人
1
Shunsaku TAKAYANAGI
1
,
Shota TANAKA
1
,
Nobuhito SAITO
1
1東京大学医学部附属病院脳神経外科
pp.193-195
発行日 2022年4月9日
Published Date 2022/4/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28102193
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がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査
2019年,がん遺伝子パネル検査が保険承認されたことをきっかけに,わが国でもがんゲノム医療の体制が急速に整備されてきた.がんゲノム医療とは,主に患者の摘出がん検体を用いて腫瘍細胞の遺伝子解析を行い,その結果に応じた個別の治療法を提案,実施する医療のことを指す1-4).がん遺伝子パネル検査とは,次世代シークエンサーなどを用いて,多数のがん関連遺伝子の異常を一度に解析することができる検査である.大規模かつ網羅的ながんゲノム解析研究と特定の遺伝子異常を標的とした分子標的薬の開発が行われてきたことで,最近,一部のがん腫では遺伝子異常に即した治療が可能となってきた.このように遺伝子異常に即した個別化治療を行うためには,標的可能な遺伝子異常を検知する検査が必要である.ひとつの遺伝子異常だけを対象とした検査をコンパニオン検査という.がん遺伝子パネル検査は,多数のがん関連遺伝子の異常を一度に検知できるため,コンパニオン検査よりも効率的で臨床的にもより有益であるといえる1-4).
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