眼の健康寿命を延ばそう -――“アイフレイル” と気づきにくい眼疾患

Extending healthy life expectancy of the eyes ――“Eye frail” and the eye diseases with no apparent symptoms in the early stages

　手元のピントが合わない，眼が疲れやすくなったなど，加齢による眼の不自由を感じている人は非常に多い．日本眼科学会，日本眼科医会など，眼科医療関連5団体で構成される日本眼科啓発会議は，このような状態を “アイフレイル” と定義し，国民に対する啓発活動を開始した．“アイフレイル” の背後には眼疾患が潜んでいることもあり，チェクリストを作成し早期発見につなげる．緑内障の9割は未発見^1）であり，年1回の眼底検査を受けている糖尿病患者は47％^2）と，国民の目の健康に対する認識は高いとはいえない．視機能低下を年のせいとあきらめてしまっている人は少なくないが，アイフレイルとして啓発することで，見えにくいと感じたときに自身の眼の健康について見つめ直してもらう効果を狙っている．