Japanese
English
特集 熱傷治療の進歩
多数熱傷患者発生時の日本スキンバンクネットワークの役割
The role of the Japan Skin Bank Network in the event of a large number of burn patients
青木 大
1,2
,
田中 秀治
1
,
佐々木 淳一
1
Dai AOKI
1,2
,
Hideharu TANAKA
1
,
Junichi SASAKI
1
1一般社団法人日本スキンバンクネットワーク理事
2同チーフコーディネーター
キーワード:
スキンバンク
,
広範囲熱傷
,
アログラフト
,
移植コーディネーター
Keyword:
スキンバンク
,
広範囲熱傷
,
アログラフト
,
移植コーディネーター
pp.1210-1214
発行日 2022年3月19日
Published Date 2022/3/19
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280121210
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同種皮膚移植に関してはスキンバンクシステムの構築にもよるところが大きい.スキンバンクの役割は同種皮膚の採取,保存,管理,供給である.わが国では,一般社団法人日本スキンバンクネットワーク(JSBN)として,現在79参加施設によりネットワーク化した唯一のバンクとして成長するに至っている.2016年の活動再開後,76人に対し1,461.4単位シッピングし,移植に至っている.一方,同期間のドナーは37人,1,622.7単位(1単位100cm2)を採皮・凍結保存している.重傷熱傷患者は一部地域に限局せず,全国的に発生する可能性が高く,国民の誰もが享受されるべき治療手段であることからその需要は高い.しかし,災害時など多数の熱傷患者が発生した場合,約10,000単位必要といわれており,現在のバンキングシステムではその役割を担うことは不可能である.ドナー数の増加,協力施設の充実化を含む公的機関への移行による経済的支援,対策も急務である.
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