特集 脳卒中はこう診る—新ガイドラインで何が変わったか
押さえておくべき脳卒中のトピックス
遺伝性脳小血管病を診断する
野崎 洋明
1
,
西澤 正豊
2
,
小野寺 理
3
1新潟大学医学部保健学科検査技術科学専攻
2新潟大学脳研究所臨床神経科学部門神経内科学分野
3新潟大学脳研究所生命科学リソース研究部門分子神経疾患資源解析学分野
pp.335-338
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223964
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ポイント
●脳小血管病(CSVD)とは,脳小血管を病変の首座とする疾患群を指す用語である.
●大脳白質病変があり,ラクナ梗塞,脳出血,微小出血のいずれかを伴い,頭部MRAで50%を超える主幹動脈狭窄がなければ,病的意義のあるCSVDが存在する.
●CSVD患者を診療する際,次のいずれかを1つでも満たす場合は遺伝性CSVDの可能性を考える.①脳卒中について2親等以内の家族歴がある,②60歳未満の発症である,③高血圧症がない.
●脳卒中の発症が小児期か成人期か,白質病変が両側性かつびまん性かどうか,神経外臓器の合併症があるかどうかの情報だけでも,遺伝性CSVDを起こす疾患を絞り込める.
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