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第5土曜特集 現代の臨床研究のための統計学2022――洗練された研究デザインと統計解析を理解してみよう
方法論の近年の発展
臨床試験に基づく費用対効果評価
Cost-effectiveness evaluation based on clinical trials
河田 祐一
1
,
荒西 利彦
2
Yuichi KAWATA
1
,
Toshihiko ARANISHI
2
1中外製薬株式会社トランスレーショナルリサーチ本部早期臨床開発部
2日本イーライリリー株式会社 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部HO/HTA/RWE
キーワード:
費用対効果評価
,
医療経済
,
医療技術評価(health technology assessment)
Keyword:
費用対効果評価
,
医療経済
,
医療技術評価(health technology assessment)
pp.502-507
発行日 2022年1月29日
Published Date 2022/1/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28005502
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新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の蔓延は,医療資源が無尽蔵ではないという事実を,重症病棟使用率やワクチンの確保数のような数字により可視化し国民に突きつけている.また,リスクに応じたワクチンの接種順決定などの施策は,医療においても資源の分配に関する議論が起こりうることを示している.これは極端な例であるが,医療資源は元来有限であるといえる.医療費にも当然限りがあり,その効率的な活用は国庫負担,健康保険のみならず,何より患者の負担を抑えるため重要な観点である.医療技術(治療,医薬品や医療機器)の費用対効果評価を用いて議論することで,医療費を適正配分して効率性を高め,よりよい治療成績を医療制度全体で達成することを目指すことができる1).本稿では,薬剤の費用対効果評価の方法論と活用について述べ,また費用対効果評価に特徴的に用いられる解析について説明する.
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