Feature Topic がん診療のコスト原論
医療における費用対効果とは?
後藤 励
1
1慶應義塾大学大学院経営管理研究科/慶應ビジネススクール
pp.222-227
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200187
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費用対効果への見方は学問分野や国によって違う
近年医療でも「費用対効果」という言葉が話題になることが頻繁になってきました。なぜ話題になることが多いのでしょうか? 国民医療費が伸びていくなかで財源不足になっており、医療の世界もお金のことを考えなくてはいけない、という見方を政策担当者だけではなく、医療現場の従事者も、そして一般の人々も共有していることが背景にあります。
「費用対効果」という言葉のイメージは、お金を上手く使って医療を行なわなければいけない、医療の効率性の指標として「費用対効果」というのがある(らしい)、というものではないでしょうか。しかし、皮肉なことに「費用対効果」の認知が広がったことで、逆に医療の効率性に対する理解と「費用対効果」の結果を用いたコミュニケーションを難しくしている点があります。
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