連載 意思決定の統計学・7
費用対効果
松原 望
1
1上智大学外国語学部国際関係副専攻(社会統計学)
pp.82-85
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100015
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費用対効果分析とそのインパクト
X県のA,B,C,D,E町で,生活習慣病のグループ健康指導をやって,表のような平均BMIのデータが得られたとしよう。仮想例である。
一見して,かかった費用が効果に対して妥当かどうか,あるいは同様の考え方だが,かけた費用に対して十分に効果が得られたかどうかを調べようとしていることが見てとれる。このような統計的分析を「費用対効果分析」あるいは「コスト・ベネフィット分析(cost-benefit analysis)」という。この分析は漠然と「評価」といわれるが,本来はここまでデータをとらなければならない。ここで「効果」「ベネフィット(benefit)」とは「利得」「利益」などを意味するが,これは
ⅰ)前後比較(おのおの5.3,3.3,2.6,2.9,4.5),あるいは
ⅱ)目標達成程度(おのおの,+1.5,-0.2,-2.2,-1.1,+0.3)
で測定できる。
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