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第1土曜特集 小児・AYAがんの最前線
肝芽腫の多施設共同研究
-――国際共同臨床試験を含めて
Clinical trials for hepatoblastoma
菱木 知郎
1
Tomoro HISHIKI
1
1千葉大学大学院医学研究院小児外科学
キーワード:
肝芽腫
,
化学療法
,
手術
,
臨床試験
Keyword:
肝芽腫
,
化学療法
,
手術
,
臨床試験
pp.74-80
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2800174
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肝芽腫は小児の肝腫瘍のうち最も頻度が高いが,小児100万人当たり0.7~1人ときわめてまれな腫瘍でもある.希少がんは患者リクルートが難しく,質の高いエビデンスの構築には多施設共同研究が重要な役割を果たす.肝芽腫を対象とする臨床試験は1990年代前半からヨーロッパ,北米,日本,ドイツなど各地域で取り組みがはじまったが,治療プロトコールはおおむねシスプラチンを軸とするものであった.しかし,それぞれが独自の病期分類を用いていたことから各試験間の比較が難しかった.そこで各グループが一同に集い,共通の病期分類と病理組織分類を確定し,さらに過去の臨床試験登録症例1,605例を集積・解析して新規リスク分類(CHIC分類)を策定した.さらにこのリスク分類に基づいてリスクグループ別に最適な治療を追求する第Ⅲ相臨床試験(PHITT試験)が開始されており,世界各国の患者が共通の試験プロトコールに則って治療を受けている.
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