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特集 敗血症診療を知る――J-SSCG2020のポイント
感染症の診断
Diagnosis of infection
谷口 巧
1
Takumi TANIGUCHI
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系麻酔・集中治療医学
キーワード:
感染
,
血液培養
,
培養検体
,
グラム染色
,
バイオマーカー
Keyword:
感染
,
血液培養
,
培養検体
,
グラム染色
,
バイオマーカー
pp.1152-1155
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279121152
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敗血症・敗血症性ショックの診療において,感染症の診断は重要である.感染症の診断を行ううえで,まず病原微生物の同定がきわめて重要であるため,日本版敗血症診療ガイドライン2020(J-SSCG2020)では “血液培養” を取り上げ,「抗菌薬投与前に2セット以上採取する」返答を提示した(CQ2-1).次に,血液培養だけでは不十分なため “血液培養以外の培養検体” を取り上げ,「抗菌薬投与前に各種培養検体を採取する」返答を提示した(CQ2-2).さらに,臨床の現場で “グラム染色” がよく用いられているため,「経験的治療に採用する抗菌薬を選択する際に,培養検体のグラム染色所見を参考にすることを弱く推奨する」返答を提示した(CQ2-3).最後に,感染症の診断としてバイオマーカーの有用性をCQ2-4に取り上げ,バイオマーカー単独による敗血症診断は一般的に困難と考えられ,その使用はいずれも全身状態観察などに加えた補助的な位置づけといえるため,各バイオマーカーの感度,特異度を示し,判断を委ねることにした.
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