特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。
【各論】さて、この検査をしよう!
現行犯逮捕か? 状況証拠での逮捕か?—培養・塗抹・抗原検出・核酸PCR検査
成田 雅
1
1沖縄県立中部病院感染症内科
キーワード:
血液培養
,
グラム染色
,
穿刺液培養
,
遺伝子検査
Keyword:
血液培養
,
グラム染色
,
穿刺液培養
,
遺伝子検査
pp.429-433
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200863
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Case
ひどい腰痛にて早朝に救急室を受診した1例(実際の症例を個人情報に配慮して一部改変)
患者:68歳、男性。
既往歴:僧帽弁閉鎖不全により人工弁置換術を5年前に施行されている。
現業歴:急性発症の腰部痛にて早朝3時に救急室受診。腰痛は右から左に移動した後、背中全体に広がり、動作で増悪し、安静で軽快せず、寝返りは打てない。悪寒戦慄認めず。
来院時のバイタルサイン:血圧130/80mmHg、体温36.1℃、心拍数96回/分、呼吸数18回/分、SpO2 96%(室内気)。
臨床経過:解離性大動脈瘤、尿路結石症を疑い、造影CTでは異常を認めず。病歴より感染性心内膜炎が想起され、血液培養3セットを採取し、帰宅となった。翌日、血液培養3セットすべての好気・嫌気ボトルより、連鎖状のグラム陽性球菌が検出され、患者は呼び出され入院となった。経胸壁心臓超音波検査にて、人工弁である僧帽弁に疣贅の所見があり、「人工弁の感染性心内膜炎」の診断となった。血液培養結果は、Streptococcus sanguinisであった。
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