SARS-CoV-2はニューロピリン1を使って感染を促進する -――第2の受容体として暗躍

SARS-CoV-2 uses neuropilin-1 to enhance infection

NRP1は多様なリガンドと結合する受容体タンパク質

　ニューロピリン1（neuropilin-1：NRP1）は主に細胞膜表面に存在する受容体タンパク質であり，VEGFやSemaphorinなどの血管増殖因子や神経発達因子の受容体であると同時に種々のシグナリング因子（VEGFR，PDGFRなど）のco-receptorである^1）．C-end Rule motif［R/K-XX-R/K］をC末端に持つリガンドと結合したNRP1は，マクロピノサイトーシスを模した仕組みでリガンド受容体複合体の細胞内取り込みを促進する^2,3）．