Japanese
English
特集 不妊治療の現状と課題
生殖医療における心理的サポート
Psychological supports in reproductive medicine
新屋 芳里
1
,
小泉 智恵
1
,
杉本 公平
1
Shinya KAORI
1
,
Tomoe KOIZUMI
1
,
Kouhei SUGIMOTO
1
1獨協医科大学埼玉医療センターリプロダクションセンター
キーワード:
心理社会的ケア
,
精神的健康
,
多職種連携
Keyword:
心理社会的ケア
,
精神的健康
,
多職種連携
pp.711-714
発行日 2021年8月21日
Published Date 2021/8/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27807711
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
不妊治療期間が長くなってくると,多くの患者は親になれるかどうか不確かであることにうまく対処していくことが難しいと感じているとされている.初回の体外受精・胚移植で妊娠不成立女性におけるその後5年間の累積出生率は49%であり,51%は子どもを授からなかったとされる.治療前,治療中,治療後それぞれの段階での異なった心理社会的なニーズがあり,これを速やかに察知して対処していく必要がある.質の高い不妊のヘルスケアを提供するために,患者と医療者が不妊とその治療によるこれら,およびその他の影響に向き合ううえでの支援が大切である.すべての施設に生殖心理カウンセラーが配置されていることが理想ではあるが,日本における不妊治療は一次施設が主流となっており現実的には困難であり,高次施設と一次施設が連携できる形が望ましい.これまでそのあり方が明確にされていなかった心理社会的ケアについて十分に議論され,十分な支援ができる体制整備がなされることが期待される.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.