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特集 不妊治療の現状と課題
はじめに
Intorduction
大須賀 穣
1
Yutaka OSUGA
1
1東京大学大学院医学系研究科産婦人科学
pp.671-671
発行日 2021年8月21日
Published Date 2021/8/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27807671
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- Abstract 文献概要
体外受精・胚移植,顕微授精といった生殖補助医療は20世紀終わりから爆発的な普及をみせ,現在では不妊症治療の中心となっている.現在,日本では約15人に1人が体外受精で生まれており,一般的な治療といっても過言ではない.しかし,1回当たりの治療で挙児を得るのは20%程度と低く,成功率を上げるための改良が望まれている.ヒトにおいては高齢になるほど胚の染色体異常が多くなり,このことが着床率の低下や流産の増加につながるため,いかに染色体異常のない胚を選択するかが重要である.さらに,染色体異常のない胚のなかでも良好な胚を選択する技術が成功率向上のため求められている.また,生殖補助医療では胚を子宮内に移植した後,子宮内膜への着床に至るまでの過程は直接に観察できず,まさにブラックボックスといえる状態である.
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