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特集 脳卒中・循環器病対策基本法――今後の展開
基本法の3つの理念とその意義
Three principles of stroke and cardiovascular disease control act in Japan
磯部 光章
1
Mitsuaki ISOBE
1
1東京医科歯科大学名誉教授,榊原記念病院院長
キーワード:
循環器病対策推進基本計画
,
予防・啓発
,
診療提供体制
,
医療連携
,
研究
Keyword:
循環器病対策推進基本計画
,
予防・啓発
,
診療提供体制
,
医療連携
,
研究
pp.261-264
発行日 2021年7月24日
Published Date 2021/7/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27804261
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わが国では超高齢化に伴って脳卒中,心血管病などの循環器疾患が増加している.従来の診療体系では対応できない面が大きく,その対策は急務である.脳卒中・循環器病対策基本法(以下,基本法)に基づいて,2020年10月に循環器病対策推進基本計画が制定された.基本法は3つの理念として,①循環器病の予防・啓発,②診療提供体制の整備,③研究の推進,を目指している.予防と早期発見のためには学校教育や市民教育を通じた啓発活動や適切な検診システムの普及が必要である.また救急診療体制の改革,急性期病院,回復期・慢性期病院,かかりつけ医,介護・福祉と一体となった医療連携が求められる.とくに高齢心不全患者のADL改善,再入院予防のためのリハビリテーションや地域でのケア体制の普及は急務である.一方,疫学的情報収集のための登録事業,病態解明や原因治療の開発が遅れている循環器病の克服を目指して研究体制の充実が必要である.
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