特別論稿
教育の基本理念について
ロレッタ・E・ハイドガーケン
pp.65-67
発行日 1970年6月25日
Published Date 1970/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906348
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看護学基礎教育は,できるだけ近い将来に,2年制のカレッジまたは4年制大学の学士課程で行なうべきであるとの原則が,現在看護界において承認されている以上,カレッジや大学の看護学コースは大幅に増加しなければならないだろう。さらにまた,看護婦の社会への新規流入が中断されるようなことがあってはならないとも確認されているからには,これは是非とも行なわれねばならないのである。それゆえ,看護界に課せられた任務は重大である。だが,以上の建前を認めたところで,カレッジあるいは大学の機構に看護学教育が十分に組みこまれるか,また仮にそれができても,確固たる教育プログラムが必ずできてくるかという十分な保証にはならない。医学,法律,神学を除いて,これまでのところ実務的教育はカレッジや大学で必ずしも歓迎されてきたとはいえず,また受け入れることはしても,その教育が十分に展開されたとはいいがたいのである。
現行の看護教育システムは,徒弟制度的なものから教育学ベースへと徐々に移行しつつあるとはいえ,教育学を専攻する真面目な学生を戸惑わせるようなものである。これは,一般に看護基礎教育とされている,免許,準学士号,学士号取得のための三種の教育課程があるという事実,そして,この各課程で学生を教育する目的と機能とが明確に定義されていないということからきている。
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