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特別記事・Ⅰ
ラマーズ法の理念と実際
The Theory and The Practice of Lamaze Method
ジーン−レディング 梅津
1,2
,
梅津 祐良
1ペアレントクラフト
2ミネソタ大学看護学科
pp.140-148
発行日 1980年3月25日
Published Date 1980/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205674
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1.自然分娩とラマーズ法
「あなたはラマーズ法など必要ありませんよ。いずれにしてもあなたは自然分娩で子供を生むのだから」と,若い母親が分娩の方法について尋ねた質問に対して,医師が解答した。日本では,なおラマーズ法についての知識が普及していないことを反映して,上記のようなコメントがよく聞かれる。日本では,医学的処置を使わない正常分娩は全て自然分娩と解釈されているようである。
ところで,ラマーズ法は自然分娩ではない。この方法には,身体を柔らかく活性化してゆく方法,身体の緊張を解く手法,また4種類の呼吸法が含まれている。呼吸法は陣痛が激しくなるに従って,しだいに複雑性を加えてゆくように組み立てられている。このラマーズ法が成功するか否かは,まず母親の側が意欲を持ち,毎日練習を続けること,さらに分娩について理解を持ち,訓練されたコーチ(多くの場合は父親)が存在すること,またラマーズ法を支援してくれるメディカルティーム(医師団)が存在することに掛かっている。すなわち,ラマーズ法は,若い両親とメディカル・スタッフの共同作業と言ってもよい。
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