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連載 いま知っておきたい最新の臨床検査――身近な疾患を先端技術で診断・Vol.10
造血器腫瘍の遺伝子検査:臨床的意義と測定原理
Molecular diagnostic testing in hematological malignancies:clinical significance and principle
西野 貴大
1
,
松下 弘道
1
Takahiro NISHINO
1
,
Hiromichi MATSUSHITA
1
1国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 臨床検査科
キーワード:
造血器腫瘍
,
遺伝子関連検査
,
診断
,
予後
,
微小残存病変
Keyword:
造血器腫瘍
,
遺伝子関連検査
,
診断
,
予後
,
微小残存病変
pp.1133-1141
発行日 2021年6月26日
Published Date 2021/6/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu277131133
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◎分子生物学的手法の進歩により,造血器腫瘍の分子メカニズムが明らかにされてきた.これらの遺伝子異常は診断・予後予測・治療選択といった臨床的意義を有しており,WHO分類やNCCN,ELNなどのガイドラインにおいても遺伝子異常の情報が積極的に取り入れられている.一部の遺伝子検査は保険収載されており,実臨床で日常的に活用されている.しかし,有用であるものの保険収載されておらず臨床検査として日常的に使用できない遺伝子検査があるほか,現行の保険診療下では複数の遺伝子異常を異なる検査系で同時に測定することに制限がある.そのひとつの解決方法が次世代シークエンサーを利用した遺伝子パネル検査であり,造血器腫瘍領域においてもその開発が進められている.本稿では,2020年10月時点で保険収載されている遺伝子検査の臨床的意義・測定原理について解説するとともに,今後臨床応用が期待される造血器腫瘍パネル検査について概要を述べる.
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