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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
疾患
ANCA関連血管炎の病態理解に基づく治療戦略
Pathophysiology and therapeutic implications of ANCA-associated vasculitis
永渕 泰雄
1
Yasuo NAGAFUCHI
1
1東京大学大学院医学系研究科免疫疾患機能ゲノム学講座/アレルギー・リウマチ学
キーワード:
抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎
,
B細胞
,
T細胞
,
NETosis
,
ImmuNexUT
Keyword:
抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎
,
B細胞
,
T細胞
,
NETosis
,
ImmuNexUT
pp.742-746
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709742
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抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎は,好中球細胞質抗原に対する自己抗体であるANCAの存在に特徴づけられる一連の疾患群である.ANCAには病原性があることが示唆されており,現在の標準治療薬シクロホスファミドやリツキシマブはANCAを産生するB細胞を主な標的としている.これまでT細胞の抗原特異的免疫応答や,好中球のNETosis亢進,補体経路がANCA関連血管炎の病態において重要な役割を果たすことが解明されてきた.また筆者らは,ImmuNexUTの一部としてANCA関連血管炎患者の末梢血免疫細胞のトランスクリプトーム解析を行い,好中球のNETosis亢進はANCA関連血管炎を特徴づけ,ANCAの存在とは独立であることを示した.今後,T細胞やNETosis,補体経路を標的とした新規治療の臨床応用が期待される.
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