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TOPICS 神経内科学
神経内科領域における免疫グロブリン製剤治療の位置づけ
Position of immunoglobulin therapy in the neurology
野村 恭一
1
Kyoichi NOMURA
1
1埼玉医科大学総合医療センター神経内科
pp.298-300
発行日 2021年4月24日
Published Date 2021/4/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27704298
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免疫グロブリン製剤の特徴
免疫グロブリン製剤は,血液成分製剤のなかでは血漿分画製剤に分類される.ヒトの血漿から製造されるため,血漿採取,製造工程,最終製品に至るまでのウイルスなどの混入の危険を可能なかぎり低くするための安全対策が行われている.静注用免疫グロブリン製剤は,完全分子型と非完全分子型に大別され,さらに処理方法により分類される.完全分子型免疫グロブリン製剤は,IgGに化学修飾を加えた化学修飾型と非化学修飾型(インタクト型)の製剤に分けられる.化学修飾型製剤は,アルキル化,スルホ化を加えた製剤があり,IgGのヒンジ領域にあるS-S結合をアルキル化,あるいはスルホ化して切断しIgGの凝集を抑制している.非化学修飾製剤は,副作用の主因であるIgGの凝集体を除去し,できるだけIgGの構造,機能,サブクラスの組成に影響しないように工夫したもので,IgG凝集を防ぐための処理法としてpH4処理酸性,PEG処理,イオン交換樹脂処理,乾燥pH4.25処理などがある1).また最近では,皮下注射用グロブリン製剤も使用可能となっている.
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