輸血のきほん(9)
免疫グロブリン製剤
加藤 栄史
1
,
高本 滋
1
1愛知医科大学附属病院輸血部
pp.1394-1398
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101060
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免疫グロブリン製剤は血漿中のγグロブリン分画を分離・精製した製剤である.本製剤はIgクラスのうち,主としてIgGを含んでおり,ウイルスや毒素を不活化したり,貪食細胞の食作用を助けるオプソニン活性を増強する働きを示し,無・低免疫グロブリン血症や免疫不全患者に対する感染症予防,重症感染症の治療に用いられている.また,Fcレセプターの結合阻害などの免疫学的変化を起こすことが知られており,特発性血小板減少性紫斑病(ideopathic thrombocytopenic purpura:ITP)や川崎病などの自己免疫疾患に対しても用いられている.免疫グロブリン製剤の自給率は徐々に改善され,80%に達したものの,残り20%はいまだ輸入に依存している現状である.さらに,他の血液製剤と異なり,明確な使用基準がなく,適応疾患を含め,使用方法が議論されている.本稿では,免疫グロブリン製剤の特徴とその使い方について解説する.
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