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連載 バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用・vol.15
ナノスーツ法による医療診断への応用
Application of the NanoSuit method to clinical diagnosis
河崎 秀陽
1
Hideya KAWASAKI
1
1浜松医科大学ナノスーツ開発研究部
キーワード:
ナノスーツ法
,
病理診断
,
パラフィン切片
,
イムノクロマトグラフィ(ICG)
Keyword:
ナノスーツ法
,
病理診断
,
パラフィン切片
,
イムノクロマトグラフィ(ICG)
pp.740-748
発行日 2021年2月13日
Published Date 2021/2/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27607740
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真空を必要とする電子顕微鏡では,80%ほどの水分を含む生物試料の形状を維持させながら固定・脱水するという長い時間の工程が必要であった.ナノスーツ法を用いると,濡れたままの試料を,そのままの形状で電子顕微鏡観察することができる.今回はこのナノスーツ法を利用して可能となった病理診断やイムノクロマトグラフィ(ICG)への応用を紹介する.病理診断では光学顕微鏡で注目すべき部位であると病理医が判断したまったく同じ箇所を,すでに市販されている走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて,高倍・高解像度かつ立体的な観察像を容易に得ることができる.またICGで使用される金粒子を直接観察・定量化することにより高感度な診断が可能となることもわかった.今後は,本法が広く世界で利用され,既存の電子顕微鏡を用いて容易にさまざまな診断や研究に応用され,新しい機器開発が進むことを期待している.
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