Japanese
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連載 臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学・第19回
アレルギー疾患の発症予防
Primary prevention of allergic diseases
斎藤 博久
1
Hirohisa SAITO
1
1国立成育医療研究センター研究所
キーワード:
アレルゲン
,
衛生仮説
,
発症予防
,
IgE
Keyword:
アレルゲン
,
衛生仮説
,
発症予防
,
IgE
pp.733-739
発行日 2021年2月13日
Published Date 2021/2/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27607733
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SUMMARY
乳児期早期の環境や介入がアレルゲン感作(特異的IgE抗体の獲得)やアレルギー疾患発症に決定的な影響を及ぼす.成人期では獲得したアレルゲン特異的IgE抗体の消失や発症したアレルギー疾患の完治は期待できない.アレルギー疾患は患者数が多いため,国民レベルの医療経済的負担は大きい.今後予想される生物学的製剤の普及に伴い,その額は膨大なものとなる.次世代の医療経済的負担を軽減するために,乳児期までのアレルギー疾患発症予防方法の確立が求められている.現時点で高いレベルのエビデンスは存在しないが,乳児期早期のアトピー性皮膚炎に対する介入などアレルゲン二重曝露仮説に基づくアレルギー疾患発症予防が期待されている.前臨床試験・動物実験の段階ではあるが,妊婦への抗IgE抗体投与による児のIgE産生長期抑制効果も注目される.
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