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第1土曜特集 My Medicine(マイ・メディシン)――オルガノイド研究が拓く新しい医療のかたち
創薬研究の観点から
創薬プラットフォームとしての腎臓オルガノイド研究の最新情報
Kidney organoids as a platform for drug screening and discovery
能登 理央
1,2
,
髙里 実
1,3
Rio NOTO
1,2
,
Minoru TAKASATO
1,3
1国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センターヒト器官形成研究チーム
2京都大学大学院医学研究科腎臓内科学
3同生命科学研究科分子病態学分野
キーワード:
腎臓オルガノイド
,
腎臓チューブロイド
,
薬剤性腎障害
,
常染色体優性多発性囊胞腎(ADPKD)
Keyword:
腎臓オルガノイド
,
腎臓チューブロイド
,
薬剤性腎障害
,
常染色体優性多発性囊胞腎(ADPKD)
pp.647-652
発行日 2021年2月6日
Published Date 2021/2/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27606647
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近年,ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)由来の腎臓オルガノイド,成人幹細胞(ASC)由来の腎臓チューブロイドの作製技術が腎臓の発生,生理,病態のin vitroモデルとして急速に発展を遂げている.腎臓オルガノイドは胎児の腎臓発生過程を模倣して,腎臓前駆細胞を自己組織化させて作製するもので,実際のヒトの腎組織に近いネフロン構造が構築される.一方,腎臓チューブロイドは成人の腎臓で起こる修復再生過程を模倣することで,尿細管/集合管細胞の長期間の安定した供給を可能としている.腎臓オルガノイドおよびチューブロイドは遺伝疾患,代謝性疾患,感染症,薬剤性腎障害,悪性腫瘍などの腎疾患モデルとしての利用が期待されている.本稿では,創薬研究,毒性評価における腎臓オルガノイド・チューブロイドの現状と展望について概説する.
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