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第5土曜特集 糖尿病治療・研究の最前線2021
基礎研究
【トピック】
長鎖ノンコーディングRNAによる血糖調節機構
Long noncoding RNA-mediated regulation of glucose homeostasis
松本 道宏
1
,
長沼 孝雄
1
Michihiro MATSUMOTO
1
,
Takao NAGANUMA
1
1国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター分子代謝制御研究部
キーワード:
長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)
,
2型糖尿病
,
糖新生
,
インスリン分泌
,
糖取り込み
Keyword:
長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)
,
2型糖尿病
,
糖新生
,
インスリン分泌
,
糖取り込み
pp.448-452
発行日 2021年1月30日
Published Date 2021/1/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27605448
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トランスクリプトーム解析などから膨大な数のタンパクをコードしないRNA,長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)が転写されていることが明らかにされた.lncRNAはエピジェネティクスの新たな分子基盤として,遺伝子転写などを介して多様な生体のプロセスに関与することが明らかになってきた.2型糖尿病では遺伝因子と環境因子を背景として,膵β細胞からのインスリン分泌の低下,肝臓からの糖新生の亢進,骨格筋における糖取り込みの障害を直接の原因とする高血糖をきたす.近年,これらの障害に関連する可能性のあるlncRNAが同定され,その制御による治療の可能性も示されている.今後,さらに詳細な作用機構が解明され,診断や治療に役立つことが期待される.
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