特集 細胞核―構造と機能
8.その他
核内ノンコーディングRNAの役割
石塚 明
1
,
中川 真一
1
Akira Ishizuka
1
,
Shinichi Nakagawa
1
1理化学研究所 基幹研究所 中川RNA生物学研究室
pp.502-503
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101229
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ノンコーディングRNA;ncRNA
ノンコーディングRNA(non-coding RNA;ncRNA)とは,タンパク質をコードしない機能性RNAの総称である。細胞内に最も多く存在するncRNAであるリボソームRNAやトランスファーRNA,スプライシング反応を担うsnRNAなどは古くから知られていたが,近年,大規模トランスクリプトーム解析などの解析手法によって,多様な長さを持つ機能未知のncRNAが数多く存在することが明らかとなった。これらのうち小分子ncRNA(miRNAやsiRNA,piRNA)については,加速度的に機能解析が進んでいる。その一方,長鎖のncRNAについてはそれには遠く及ばない。本稿では,近年目覚ましい発展をみせている核内構造体に寄与するncRNAの一つ,MEN ε/βを例に挙げ,核内長鎖ncRNAが果たす役割について解説する。
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