Japanese
English
特集 法医学の新たな展開
生きた人を診る法医学
-――臨床法医学
Clinical forensic medicine:a branch of forensic medicine that examines living person
猪口 剛
1
,
齋藤 直樹
1,2
Go INOKUCHI
1
,
Naoki SAITO
1,2
1千葉大学大学院医学研究院附属法医学教育研究センター
2同医学部附属病院小児科
キーワード:
臨床法医学
,
診断書
,
児童虐待
,
臨床法医外来
,
記録
Keyword:
臨床法医学
,
診断書
,
児童虐待
,
臨床法医外来
,
記録
pp.194-199
発行日 2021年1月16日
Published Date 2021/1/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27603194
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臨床法医学は,“生きている人間” を対象とした法医学の一分野であり,裁判や種々の法的手続きのなかで,生体における医学的評価が必要とされる場合に,当事者の診察を実際に行い,損傷や薬毒物濃度などを評価し,医学的根拠に基づく法医学的見地から客観的に助言を行うことが,その一義的な役割とされている.また,児童虐待対応においては損傷評価など法医学の専門性を生かした医学的評価によって,早期発見に寄与するとともに,虐待診断における医学的側面を公正な立場から客観的に評価することが期待される.ヨーロッパなどの諸外国において,この臨床法医学は確立された分野として認識されているが,日本においては,一部の法医学教室が個別で活動するのみで,実務的にも法的にもまとまった体系をなしていない.本稿では,日本における臨床法医学の現状や課題と,当センターにおける児童虐待対応について概説する.
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