FORUM 天才の精神分析――病跡学(パトグラフィ)への誘い・10
庄野潤三と暦時間
-――健康を考える病跡学
杉林 稔
1
1愛仁会高槻病院精神科
pp.181-183
発行日 2021年1月9日
Published Date 2021/1/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27602181
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庄野潤三(1921-2009)は『プールサイド小景』で1955年に芥川賞を受賞した小説家である.世に言う「第三の新人」とよばれ注目された.初期には平穏な日常の危うさを描いたが,その後,身辺の日常生活を素材とした小説に転じた.平易ではあるが研ぎ澄まされた文体によって描き出される慈しむべき日常世界は,まるで長大な散文詩である.
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