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特集 どこまで読める? MRI典型所見アトラス
《咽喉頭・頭頸部領域》
唾液腺疾患—多形腺腫/ワルチン腫瘍/基底細胞腺腫/血管腫・血管奇形/粘表皮癌/腺房細胞癌/腺様囊胞癌/唾液腺導管癌/悪性リンパ腫/シェーグレン症候群/IgG4関連唾液腺炎/線維素性唾液腺炎/木村氏病
Typical MRI findings of salivary gland disorders, such as benign・malignant salivary gland tumor/IgG4-related disease/Sjögren's syndrome
八木 正夫
1
Masao Yagi
1
1関西医科大学耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座
キーワード:
唾液腺疾患
,
唾液腺腫瘍
,
多形腺腫
,
ワルチン腫瘍
,
シェーグレン症候群
Keyword:
唾液腺疾患
,
唾液腺腫瘍
,
多形腺腫
,
ワルチン腫瘍
,
シェーグレン症候群
pp.52-61
発行日 2023年1月20日
Published Date 2023/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411203229
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POINT
●典型的な多形腺腫のMRI像は,分葉状で境界明瞭,T2強調画像(T2WI)で被膜様構造を持ち,内部がT2WIで高信号,T1強調画像(T1WI)で低信号である。
●ただし,多形腺腫の内部は,①軟骨腫/粘液腫様組織,②線維状組織,③細胞成分の豊富さ,によってT2WIの信号強度は変化する。高信号を示す(①が多い)のは全体の約3/4で,②,③で構成される部分が多いと低〜等信号となる。
●多形腺腫以外でT2WIが高信号を示すことが多いものとしては,良性では神経鞘腫が挙げられ,腺房細胞癌,腺様囊胞癌などの低〜中悪性度癌は比較的高信号が多く,一部に被膜様構造がみられる。
●ワルチン腫瘍は境界明瞭な類円形のことが多く,被膜様構造は欠くことが多い。T1WI,T2WIのいずれも低信号であるが,囊胞性変化などにより内部は不均一なことが多く,囊胞部分は高信号のことが多いが,粘性な場合は低〜等信号となる。
●シェーグレン症候群では,主に耳下腺でT1WI,T2WIのいずれも内部不均一な像として描出され,T2WIや脂肪抑制画像で高信号な斑点状の陰影がみられるが,このような背景に加えて腫瘤性病変を持つ場合は,悪性リンパ腫を想定しておく必要がある。
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