案件から学ぶ医療事故の対策と問題点
扁平上皮癌の看過例
向井 秀樹
1
1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科
pp.620-621
発行日 2026年7月1日
Published Date 2026/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000004637
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・70歳代,女性.3カ月前から右頤部に隆起性病変があり.やや痒みがあり搔破したところ,角質がとれ皮膚潰瘍が出現.同部から多少の浸出液が出る.薬局で購入したマキロン®消毒液を外用するも,改善しないため受診する.頰部や前額部には老人性疣贅や老人性色素斑が混在している.
・皮膚潰瘍を生じた原因は不明であったが,消毒薬やユーパスタ®軟膏を処方.1週間ごとに来院を促す.
・定期的に診察,やや浸出液が減り改善傾向を示すも,次第に潰瘍周囲の皮膚は隆起し,潰瘍も深くなっている.消毒を中止して,プロスタンディン®軟膏に変更するも改善しないまま1年間通院.
・家族からの希望で,難治性皮膚潰瘍として高次医療機関へ紹介する.
・皮膚生検にて扁平上皮癌と診断,腫瘍は全摘し植皮術を施行.右頸部の所属リンパ腺に転移あり,切除後に放射線照射を実施する.肺など他臓器への転移所見はなし.
(「経過」より)
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