特集 最近の水疱症
Editor's eye
向井 秀樹
pp.97-97
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002396
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水疱症は先天性と後天性に分類される.先天性は表皮水疱症であり,後天性は天疱瘡や類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)などの自己免疫性水疱症である.表皮水疱症の原因遺伝子が明らかになり,正確な診断,遺伝型の把握,遺伝情報や出生時診断ができるようになった.そして自己免疫性水疱症は表皮構成蛋白に対する自己抗体が明らかになり,最終診断が確定できるようになった.したがって,臨床像や病理組織像から水疱症と診断しても,蛍光抗体法,ELISA法,免疫ブロット法や遺伝子変異の同定などを行わないと,最終診断には至らない時代になったのである.
口腔粘膜や陰部に水疱・びらんを生じる粘膜類天疱瘡は,天疱瘡に類似している.容易にできる有用な検査法は,岩田浩明先生の頰粘膜の蛍光抗体直接法の「研究」が参考になる.BPは高齢者に発症し糖尿病などとの合併例が多い.高用量のステロイド内服量をスムーズに減量をする際は,野見山留衣先生(「治療」)の免疫グロブリン大量静注療法は試す価値がある.
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