Japanese
English
特集 むずかしくない血管炎
総説
蕁麻疹様血管炎―当科12例の経験も加えて―
Urticarial vasculitis : a retrospective study of 12 cases
新井 達
1
Satoru Arai
1
1聖路加国際病院皮膚科
キーワード:
蕁麻疹
,
紫斑
,
蕁麻疹様血管炎
,
腹痛
,
治療
Keyword:
蕁麻疹
,
紫斑
,
蕁麻疹様血管炎
,
腹痛
,
治療
pp.464-469
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002041
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蕁麻疹様血管炎(urticarial vasculitis:UV)は日常診療上,難治な蕁麻疹症例の中に潜んでいる疾患である.臨床的には紫斑を伴う蕁麻疹~蕁麻疹様紅斑を呈し,病理組織学的には核破砕性血管炎を呈する細小血管レベルの血管炎である.本症はMcDuffieら1)により皮膚の血管炎として報告され,補体低下の有無により,正補体血症性のUVと低補体血症性のUVの2種類に分類されている.また特殊型として,低補体血症性蕁麻疹様血管炎症候群(hypocomplementemic urticarial vasculitis syndrome:HUVS)がある.以前は血管炎の中では比較的認知度が低い疾患であったが,血管炎の改訂Chapel Hill分類(2012)2)において,小型血管炎の中の免疫複合体血管炎に低補体血症性UVが含まれるようになってから,本症の認知度も向上した.UVは感染症,薬剤,全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとする膠原病など,さまざまな原因によって出現する.そこで本稿では本疾患を原因別に分けて,当科で経験したUV12例(2013年1月~2017年12月までの5年間,全例正補体性(表1),当院倫理委員会承認済み)の結果を交えながら,その特徴について述べたいと思う.
(「はじめに」より)
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