投稿論文 短報
皮膚テストと好塩基球活性化試験により確定診断したセファゾリンによるアナフィラキシーショックの小児症例
齊藤 保雅
1
,
堀内 辰男
,
高澤 知規
,
高橋 淳子
,
大川 牧生
,
富岡 昭裕
,
齋藤 繁
1群馬大学医学部附属病院 麻酔科蘇生科
キーワード:
アナフィラキシー
,
好塩基球脱顆粒試験
,
Cefazolin
,
術中合併症
,
上腕骨骨折
,
全身麻酔
,
皮膚テスト
,
過敏症-薬物
Keyword:
Anaphylaxis
,
Anesthesia, General
,
Skin Tests
,
Humeral Fractures
,
Intraoperative Complications
,
Basophil Degranulation Test
,
Drug Hypersensitivity
,
Cefazolin
pp.1130-1134
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021033181
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7歳女児。右上腕骨骨折に対して全身麻酔下の観血的整復固定術を予定した。麻酔導入10分後、術創感染予防目的にセファゾリンの持続投与を開始した。開始10分後から血圧低下を認め、22分後には収縮期血圧が40mmHg台に低下し、心電図でII誘導のST低下を認めた。40分後にはSpO2が80%に低下し、100%酸素投与と急速輸液、ドパミンの持続投与を行ったが症状は改善しなかった。アナフィラキシーを疑い、セファゾリン投与開始65分後にアドレナリンの筋肉内投与を行った。一連の治療により循環動態・呼吸状態とも改善したが、手術は中止とした。発症1時間後の血液検査でヒスタミンとトリプターゼの高値を認めた。発症46日後、原因薬物同定のために皮膚テストを行い、セファゾリンに対して陽性反応を示した。同日に好塩基球活性化試験を行い、10mg・mL-1のセファゾリンにより活性化率が閾値を超えた。
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