展望
皮膚科医が知っておくべきシーティングの知識
日髙 正巳
1
1兵庫医療大学リハビリテーション部
キーワード:
シーティング
,
座圧再分散
,
剪断力
,
車椅子クッション
Keyword:
シーティング
,
座圧再分散
,
剪断力
,
車椅子クッション
pp.110-116
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000000846
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褥瘡は,「身体に加わった外力は骨と皮膚表層 の間の軟部組織の血液を低下,あるいは停止させ る.この状況が一定時間持続されると組織は不可 逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる」と日本褥瘡 学会によって定義されている1).すなわち,褥瘡 の発生要因としては,長時間,同一部位に応力が 加わることがあげられる.また,褥瘡がある場合, 創部への刺激を最小限にすることから除圧が行わ れ,さらに,剪断力が働かないようにと,動かさ ず創の治癒を待つという選択をすることも多い. しかし,臥床生活が長期にわたると,褥瘡以外に も多くの問題を併発することになるため,離床支 援を考えていくことが重要となっている. その一方で,創の治癒後,活動性を高めること によって,創を再発させてしまえば,やはり問題 となる.したがって,褥瘡ならびに褥瘡発生リス クを有する方においても,ベッド上での臥床生活 のみならず,車椅子座位を含めた座位生活に目を 向けることが大切になっている.また,これらの 対応は活動性が低い方のみならず,活動性が高い 方の場合においても,座位で生活する時間が長い ことから褥瘡を形成する要因を増すため,座圧の 再分散や除圧動作が適切に行われることが求めら れる.そのための支援策がシーティングである. 本稿では,座位姿勢の構築であるシーティング について,「褥瘡形成の予防・悪化防止」の視点か ら目的,アセスメント,そして,ポイントについ て紹介する.(「はじめに」より)
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