総説
リンパ腫の疫学─診療に役立つ皮膚リンパ腫の最新情報・疫学に関する新知見─
濱田 利久
1
1高松赤十字病院皮膚科
キーワード:
皮膚リンパ腫
,
WHO分類
,
菌状息肉症
,
罹患者数
,
成人T細胞白血病・リンパ腫
Keyword:
皮膚リンパ腫
,
WHO分類
,
菌状息肉症
,
罹患者数
,
成人T細胞白血病・リンパ腫
pp.1093-1098
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000000617
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皮膚リンパ腫は臨床的および腫瘍細胞の生物学的特性の異なった多数の病型からなるが,皮膚に主病変が存在するという点から,皮膚科医がその診断から治療まで大きな役割を担うことになる.また,皮膚リンパ腫は節外性リンパ腫の一疾患群であるので,悪性リンパ腫の中での病型分類が生命予後や治療指針の決定に重要である.この分野は疾患単位の大幅な改訂が数年単位で行われており,皮膚科医にとって「苦手さ」を意識する1つの要因かもしれない.病型決定には臨床所見と病理診断が必要になるのは他の皮膚疾患同様であるが,病理診断には通常のH-E染色のほかに,リンパ球系腫瘍に必要とされる免疫組織化学検査やフローサイトメトリー,FISH法,遺伝子診断についても一定レベルの知識を必要とする.また,病型ごとの罹患率は地域性や民族差,年齢別人口構成にも依存しているので,本邦での特徴を知ることはわが国で皮膚科診療を行う皮膚科医にとって重要と思われる.本稿ではわれわれが2007年以来取り組んできた皮膚リンパ腫の罹患者数に関するレジストリのデータを提示して,本邦における皮膚リンパ腫の疫学的な特徴について解説する,(「はじめに」より)
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